研究課題/領域番号 |
25861862
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
玉田 泰嗣 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (50633145)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 摂食・嚥下リハビリテーション / 嚥下圧 / 加齢変化 |
研究概要 |
摂食・嚥下において、咽頭の嚥下圧は職階の円滑な輸送に重要な役割を担っている。摂食・嚥下障害は高齢者に多いため、加齢による形態変化と機能変化を考慮する必要があるが、咽頭に関する加齢変化は二次元的な形態分析にとどまっている。また、三次元的形態変化と嚥下圧との関連は明らかになっていない。 初年度は、コーンビームCT(歯科で用いられる座位で撮影可能なCT)を用いて、青年者および高齢者の咽頭形態を撮影した。得られた画像データおよび三次元再構築像から、咽頭の形態評価を行い、体積などを比較することにより、加齢による形態変化を明らかにした。また、高齢者では、義歯を装着してる者、および義歯が必要だが未装着の者が多く、義歯の装着が咽頭形態に与える影響についても考慮する必要がある。高齢者では、上下全部床義歯を装着した状態と非装着の状態で撮影を行い、対照として青年者では、咬頭嵌合位および実験用スプリントを装着し、顎位を変化させた状態で撮影を行い、形態変化を比較検討した。その結果、加齢変化により咽頭の径が増加し、顎位の変化によっても、青年者および高齢者の両群において、下顎前方位では径が増加し、体積が増加することが明らかになった。また、嚥下障害を持つものでよく観察される、喉頭蓋谷部において径が増加いた。一般的に、径の太いものに圧を発生させるためには、細いものに比べより多くの力が必要と考えられる。これらより、嚥下圧に関する加齢変化を明らかにすることは、摂食・嚥下リハビリテーションにおいてより有用な代償法を開発することに繋がると考えられた。一方で、圧センサーを用いた、既存の研究を再現することにより、購入した嚥下圧測定用カテーテル圧トランスデューサー等が正常に機能することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コーンビームCT(歯科領域で用いる座位で撮影可能なCT)による撮影および分析は終了し、嚥下圧測定に関しても順調に被験者を増やしてる最中であり、おおむね順調に進展してる。
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今後の研究の推進方策 |
高齢者に対して嚥下圧測定を行い、青年者との結果と咽頭形態も含めて比較検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
すでに所持している機器で代用可能なものがあったため、次年度使用額が生じた。 継続して研究を進展させ、予想していたよりも早く有益な結果が出そうなため、英文誌、海外学会での発表等も含め使用していく予定である。
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