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2013 年度 実施状況報告書

食事形態の違いが嚥下機能に及ぼす影響について

研究課題

研究課題/領域番号 25861869
研究種目

若手研究(B)

研究機関日本大学

研究代表者

李 淳  日本大学, 歯学部, 助教 (10386055)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードNIRS / 高齢者 / 嚥下 / 香り / 味覚 / 有病者 / 若年健常者
研究概要

本格的な高齢社会の到来により,口腔感覚機能や嚥下機能の低下した高齢者や摂食嚥下障害患者の数も増加している。そこで本研究においては,嚥下時における被験食品の性状の違いが嚥下の遂行にどのような変化を及ぼすのかを検討する。嚥下反射を誘発した時の大脳の脳血流量を近赤外線分光法によって計測し、安全かつ円滑な嚥下遂行時の中枢の機能局在を評価し,客観化することが可能となれば,高齢者や有病者に対する介護の一助にもつながるものと考える。
本研究では、食品の性状の違いがヒトの嚥下時にどのような生体変化を及ぼすのかを検討するために、近赤外光トポグラフィ(NIRS)によって、サンプル嚥下時の前頭皮質における血流量を測定した。サンプルである被験食品は、基剤としたトロミ調整食品に甘味および香料を加え、4種類のサンプル(味無香無・味無香有・味有香無・味有香有)を作製し、被験者は、健常成人ボランティア16名を対象として実験を行った。
その結果、安静時と嚥下時を比較した場合、脳血流量の相対的な変化量は、各サンプルの種類によって変化を示す傾向にあり、『香有』のサンプルで多くの計測部位で有意差を認めた。 (対応のあるt検定 α<0.01)
また、各サンプル条件における全被験者でのTASK時酸化Hb濃度変化平均を算出後、類似した反応を示すチャンネルをクラスター分類し、クラスター間で比較検討し分析を行った結果、クラスター間での比較では、味無香無・味無香有・味有香無・味有香有の4サンプル全ての条件下で、前頭部から頭頂部にかけて酸化Hb濃度が大きくなる傾向を示した。(tukey’s test p<0.01)
以上のことから、嚥下によって前頭皮質部における酸化Hb濃度は変化し、さらに嚥下するものの性状によって変化する部位や範囲に変化を示すことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

嚥下機能に障害を持たない高齢者および脳血管障害発症後,慢性期状態にある摂食嚥下障害を伴う高齢者を被験者として計測を行うため、突然の体動や感情の変化が発生することが多い。そのため、計測中に測定を停止することや中止を余儀なくされることがあり、計測すべきデータの収集が、計画発案時よりも進んでいないものと思われる。
計測用頭部パッドの改良や、計測時間・回数の変更を行い、なるべく被験者に負担を与えることが無いように改善するよう努めている。
また、当初計画していたタイミングプロトコルでは、脳血流量の変化を計測することが困難であることも達成度の遅れに影響しているものと思われる。

今後の研究の推進方策

計画当初に予想していたデータ収集のペースが遅延していることから、
計測用頭部パッドをキャップタイプに変更、計測時間および回数の変更、タイミングプロトコルの変更、1回のサンプル量の増減
を行い、計測を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度、被験者への謝金が予定より減額となり、さらに、学会発表を行う機会が、翌年度になったため。
被験者に対する謝金を平成26年度分として計上し、複数回協力をしていただける被験者に対する対応等を考慮して支払を行う予定とする。また、データ収集のペースの遅れによる影響とデータ解析を再度行う必要があるため、学会発表を行う機会が、翌年度に変更とする変更が生じたため、平成26年度以降に報告を行えるように検討する必要性がある。データ採取および解析を行うために適正な使用を行いたいと考える。

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公開日: 2015-05-28  

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