本研究では、食品性状の違いがヒトの摂食嚥下時にどのような生体変化を及ぼすのかを検討するため、近赤外光トポグラフィー(NIRS)を利用して4種類のサンプル食品(味無香無・味無香有・味有香無・味有香有)摂食嚥下時の前頭前野における血流量を摂食嚥下障害者を対象に計測した。 その結果、NIRS計測における酸化Hb変化量の活動パターンが、健常高齢者群と比較して摂食嚥下障害者群では全条件下で異なっていた。 本研究で得られた被験者群間および味や香の有無によってNIRS活動パターンが異なるという結果から、NIRS計測が、摂食嚥下障害患者の円滑な嚥下の評価や調節に利用できる可能性が示唆された。
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