研究実績の概要 |
エピテーゼの製作に際し,皮膚色の再現は最も重要な事項のひとつである.エピテーゼの彩色は,従来,術者の経験や感性に依存した主観的な調色法によって行われており,様々な医療機関で広く利用されている方法は未だ無いのが現状である.申請者らはこれまでにエピテーゼの製作に際し,CAD/CAM法を応用した新しいエピテーゼの製作法を確立し,その臨床応用を行ってきた.さらに本研究においては,エピテーゼの彩色を簡便かつ客観的に行う方法を確立することを目的とし,これを臨床応用することにより,より多くの顔面欠損患者に審美性に優れたエピテーゼを提供することができ、顔面欠損患者の社会復帰とQOLの向上につながると考えられる. 本研究の第一段階として分光測色計を用いて被験者30名の皮膚色を測色し,肌色の分析を行うとともに,現在使用されているエピテーゼ専用顔料の色彩学的特性を知るために,様々な濃度の肌色シリコーンサンプルを製作して分光測色計にて測色し,色の分析を行い,色データを得た.第二段階として,得られた色データから各被験者の肌色に合わせてソフトウェア上で混色し,被験者の肌色を作るための色処方を作成する.これをもとに肌色サンプルを製作し,元の被験者の肌色と主観的,客観的に比較・検討を行い,作成された色処方を評価する.
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