本年度は前年度の課題であった歯根膜細胞シートの安定した供給方法についての検討を行った。具体的には5週齢F344ラットの歯牙を摘出し、歯根膜組織を採取。アウトグロース法にて歯根膜線維芽細胞の初代培養を行った。培養細胞がコンフルエントに達した時点で継代を行った後、プレート型β-TCPブロック上に播種した。β-TCPブロック上で培養、追加播種することで、通常のディッシュ上よりも多層の歯根膜細胞シート作製が可能であった。 また、プレート型β-TCPブロック+歯根膜細胞シートと、前年度までに作製していた凹型β-TCPブロック+骨髄細胞シートとを組み合わせ、中空部分にFGF2を含浸させたFC-HACコラーゲンスポンジを填入することにより培養細胞シート一体型β-TCPコラーゲンスキャフォールドの作製を行った。しかしながら骨髄細胞シートと歯根膜細胞シートを同時に安定した状態でスキャフォールド上に設置することは手法的に困難であり、十分な試料数には至らなかった。一方、この培養細胞シート一体型β-TCPコラーゲンスキャフォールドを用いた場合の骨新生状態について組織学的評価を行うために、10週齢F344ラットの頭蓋骨骨窩洞に埋植することを試みたが、初期段階でスキャフォールドが分解してしまったものが多く認められた。 以上の結果から、スキャフォールドの安定化が必要と考え、これまでのコラーゲンスポンジとβ-TCPブロック同士を組み合わせるタイプのものから、一体化タイプのβ-TCPコラーゲン複合体を新たに作製、これをスキャフォールドした効果について再検討を行う計画へ変更した。β-TCPコラーゲン複合体をこれまでと同様にラット頭蓋骨骨窩洞へ埋植した結果、コラーゲンスポンジ単体の場合よりも多くの骨形成が認められたが、FGF2を添加することでさらに多くの骨形成が確認され、スキャフォールドとしての有効性が示唆された。
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