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2013 年度 実施状況報告書

Wntシグナルを活性化し増殖させた歯髄幹細胞と歯の硬組織は骨補填材になりうるか?

研究課題

研究課題/領域番号 25861890
研究種目

若手研究(B)

研究機関佐賀大学

研究代表者

檀上 敦  佐賀大学, 医学部, 講師 (80452712)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード間葉系幹細胞 / Wntシグナル経路 / 骨の再生
研究概要

顎口腔領域の手術において術後に骨欠損を生じることは多い。骨欠損部の再建には、現時点では骨髄を含んだ自家新鮮骨がもっとも優れていると考えられている。しかし、自家新鮮骨の利用には、骨組織採取のための新たな手術侵襲を要するという欠点がある。そこでわれわれは歯髄細胞に着目した。歯髄細胞は骨髄と同じように幹細胞を含み、生体内でも培養皿上でも骨芽細胞へ分化しうる細胞だと認識されている。われわれの歯科口腔外科外来では日常的に埋伏智歯が抜歯され、その抜去歯は医療廃棄物として破棄されている。歯には歯根膜細胞、歯髄細胞などの幹細胞を含む細胞成分と骨の硬組織の主成分であるハイドロキシアパタイト(HA)が豊富なエナメル質や象牙質が含まれており、骨組織再生に必要な3つの要素である足場、細胞、成長因子のうち足場と細胞がそろっている。そこで抜歯した埋伏智歯を骨補填材料として利用することを目的として、研究を立案した。われわれはこれまでに歯髄と歯の硬組織を用いて骨補填材として利用できないかどうかを検討してきた。しかしながら1本の歯の歯髄からは採取できる細胞数が極端に少なく、わずかな骨形成しか確認できなかった。
古典的Wntシグナル経路を活性化することは骨量を増加させる。これは間葉系幹細胞を増殖させさらに骨芽細胞への分化を誘導するからである。そこで歯髄細胞においてWntシグナルを活性化させるGSK3β阻害剤を添加することで幹細胞の増殖と、骨形成が促進されるかどうか、また歯の硬組織とともにマウスに移植を行い、効果的に骨形成がおこるのかどうかを評価する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Wntシグナルを活性化することによって歯髄幹細胞の増殖能や骨芽細胞への分化誘導能が進むかどうかは検討できたが、骨再生のための足場としての歯の硬組織の形態がどのような形が望ましいのかについては、現時点で評価できていない(想定していた2形態に明らかな差を認めなかった)。

今後の研究の推進方策

平成26年度に予定していた、in vivo実験(免疫不全マウス背部皮下や頭頂骨の欠損部への移植実験)を行う。また、骨再生の足場としての歯の形態に差がないのであれば、想定していた2形態ともにin vivo実験を行い、実際の骨誘導能、骨伝導能を確認することとする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 超音波骨切削器具を用いて切削した骨の組織学的評価2013

    • 著者名/発表者名
      檀上敦、山下佳雄、合島怜央奈、香月武、後藤昌昭
    • 学会等名
      第43回日本口腔インプラント学会学術大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      20130913-20130915

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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