研究概要 |
近年、インプラント材料に代表されるように様々な生体材料が口腔内で使用されている。口腔内は、細菌がバイオフィルムを形成し、齲蝕や歯周病のみならず生体内に大きな影響を与えることが知られている。一方、口腔内は唾液による生体防御機能があり、数種類の抗菌性タンパク質を有し予防している。本研究では、口腔内で用いられる生体材料と細菌の接着性について、バイオフィルム抑制材料の基礎研究を行った。平成25年度において、生体材料に用いられているチタンおよび高結晶ハイドロキシアパタイトのバイオフィルム形成の違いについて人工口腔装置を用い検討を行った。これにより、バイオフィルム形成は材料の性質のみならず表面性状によりに大きく影響を受けることが明らかとなった(Biofilm Bormation on Titanium and Hydroxyapatite Surface using Artificial Mouth System. E. Yoshida, S. Imai, N. Hanada and T. Hayakawa. Journal of Hard Tissue Biology. 22: 419 -424 2013)。さらに基礎的研究として、水晶発振子マイクロバランス法を用いて、金、シリカ、チタンに対するペリクルタンパク質の吸着について検討を行った。タンパクの種類により各材料に対する吸着量が違うことがわかった (Adsorption study of pellicle proteins to gold, silica and titanium by quartz crystal microbalance method. E. Yoshida, T. Hayakawa. Dent Mater J. 30;32:883-7. 2013.)。
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