研究概要 |
本年度は流動性の評価として、粉末粒径・練和液γPGA濃度、粉液比をパラメーターとして変化させた。流動性の検討にはレオメーターを用いた。各試料粉末を遊星ボールミルにて一定時間粉砕することにより、各種粒径を調製した。連和溶液として0,2,5,10%γPGAを含有した0.25M リン酸溶液を作成し、α-TCP含有量を10-90 mass%まで変化させた炭酸アパタイト混合粉末と連和し、シリンジを用いてインジェクタビリティーの評価を行った。 内径6 mm、高さ3mmのステンレスモールドにセメントペーストを充填し37℃、相対湿度100%で3分間養生させた硬化試料を37℃のリンゲル液に3時間浸漬し、形態変化の観察と重量変化を測定することにより初期分散性の評価を行った。硬化体の機械的性質は以下の方法で評価した。内径6 mm、高さ3mmの穴あきステンレスモールドにセメントペーストを充填し、37℃、相対湿度100%のインキュベータ-内で1, 3, 6, 12, 24, 48, 72時間養生後にアセトンクエンチして反応を停止させた。重量変化がなくなるまで十分に乾燥させた後にダイアメトラル引張り強さを測定した。測定には万能試験機を用いた。また初期硬化時間はビカー針法により測定した。アパタイトへ変換率は粉末X線回折装置(現有設備Rigaku mini flex)により定量分析を行った。炭酸含有量の評価はフーリエ変換赤外分光光度計(現有設備:BRUKER Optics)にて炭酸基含有を定性分析し、CHN分析にて炭酸含有量を定量した。
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