本研究ではRIG-Iを介した感染防御機構を応用し、化学療法誘発口腔粘膜炎の新規治療開発に向けた基礎的研究を行った。がん関連線維芽細胞モデルを製作し、ドセタキセルとLPSやpoly ICを添加し、RIG-I、自然免疫応答関連遺伝子や炎症性サイトカインのmRNA発現を検討し、cDNAマイクロアレイを施行した。線維芽細胞とがん関連線維芽細胞を比較したところ、自然免疫応答能に違いが認められた。TLR-3や4の発現は線維芽細胞に比較しがん関連線維芽細胞で発現低下しているのに対し、RIG-Iの発現上昇が認められた。がん関連線維芽細胞においてRIG-Iは化学療法誘発口腔粘膜炎の機序の一部役割が示唆された。
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