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2013 年度 実施状況報告書

亜鉛イオンによる骨芽細胞分化促進と骨再生療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25861911
研究種目

若手研究(B)

研究機関山形大学

研究代表者

遊佐 和之  山形大学, 医学部, 医員 (80636960)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード骨再生 / 生体内微量元素 / 骨再建 / 幹細胞
研究概要

頭頸部領域における腫瘍の術後や外傷による広範な骨欠損に対する治療法として骨再生療法への期待が高まっていることから、本研究では低侵襲かつ安全性を有した新規骨再生療法の構築を目的とした。組織再生においては細胞、細胞増殖の足場、増殖・成長因子の3要素が重要となる。申請者らは骨髄間葉系幹細胞を用いた実験系において亜鉛放出型チタンより溶出された溶出亜鉛液が従来用いられてきた亜鉛化合物と比較して有意に骨芽細胞分化を亢進することを明らかにしており、本年度はこの溶出亜鉛液の骨芽細胞におけるシグナル因子としての役割を歯髄幹細胞を用いた実験系において解析した。
1)アルカリフォスファターゼ染色:歯髄幹細胞を標準培地で培養後、細胞がサブコンフルエントになった後、骨芽細胞誘導培地へ培地交換を行うとともに溶出亜鉛液を添加した。溶出亜鉛液添加群において明確な染色性の亢進がみられた。
2)骨芽細胞分化マーカーのmRNA発現、タンパク発現:骨芽細胞分化マーカーとされる遺伝子群に関してリアルタイムPCRを用いてmRNA発現を測定した。溶出亜鉛添加群において有意なmRNA発現の上昇が認められた。また、BMP/TGF-βシグナル関連のmRNAに関しても網羅的に発現を測定した所、溶出亜鉛添加群においてBMPシグナルの増強が確認された一方、BMPのアンタゴニストであるNogginに関しては発現が減少している事が確認された。また、骨芽細胞分化に関連するタンパクおよびシグナルのリン酸化に関してウエスタンブロットを行った。
3)基質石灰化に関して:アリザリンレッド染色、von Kossa染色により基質石灰化を確認した。アリザリンレッド染色を行ったサンプルに関しては溶解した後、吸光度測定を行った所、溶出亜鉛添加群において基質石灰化の亢進が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

歯髄幹細胞の溶出亜鉛液添加による分化促進作用に関しては、in vitroにおける検討によって明らかとなったため、予定通り次年度よりin vivoにおける異所性骨形成能および骨修復能に関して検討を行う。また、歯髄幹細胞を用いた実験系より最適な培養条件の設定が可能となった事から、次年度は脂肪幹細胞、iPS細胞を用いたin vitro、in vivoにおける骨芽細胞分化および骨形成に関する評価を併行して行っていく予定となっている。

今後の研究の推進方策

上記のごとく、本年度は細胞培養における最適な培養条件の設定が可能となった事から、次年度より培養細胞の移植実験および脂肪幹細胞、iPS細胞を含めた種々の幹細胞ソースの培養および移植実験を進め、新たな骨再生療法の確立を目指す。

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公開日: 2015-05-28  

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