本研究では、亜鉛放出型チタンより溶出した溶出亜鉛液を応用した骨再生療法の開発を試みた。溶出亜鉛添加による骨芽細胞分化促進へ対する効果に関しては、アルカリフォスファターゼ染色、リアルタイムPCR、アリザリンレッド染色による基質石灰化などの点を検討した。溶出亜鉛液添加により骨芽細胞分化が亢進することが確認された。また、培養7日目の細胞を実験動物皮下および頭蓋骨欠損モデルへ移植した。溶出亜鉛を添加した細胞で著明な骨形成を認めたサンプルもあったが、再生骨量の不安定性と手術部位感染の問題があり、十分な結果は得られなかった。
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