研究課題/領域番号 |
25861913
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
名生 邦彦 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (50634119)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 遺伝子解析 / 口腔扁平上皮癌 / FNA-FISH法 |
研究実績の概要 |
われわれは、口腔扁平上皮癌からFNA(fine-needle aspration)を用いて採取した癌細胞を対象にFISH法(fluorescence in situ hybridization)をおこなうFNA-FISH法により、主に細胞周期関連遺伝子であるCyclin D1およびp16遺伝子を中心に分子遺伝学的解析をすすめ、それらの因子と頸部リンパ節転移や予後との関連性について報告してきた。 その経験を活かし、FNA-FISH法を用いた特定の染色体領域のコピー数異常の解析にとどまらず、SNPマイクロアレイを用いた全ゲノムコピー数を網羅的に評価した。具体的には頸部リンパ節転移をきたした舌癌症例を用いて原発巣および転移巣からそれぞれゲノムDNAをサンプリングし、それらをOncoScan FFPE Assay kit(Affymetrix社)を用いてコピー数変異(Copy number alteration:CNA)の解析をおこない、その結果舌癌の転移過程において、原発巣・転移巣はそれぞれ多種多様な細胞集団で構成されており、転移に直接関与するCNAが存在する可能性を示唆した。 今後、可能であれば、SNAマイクロアレイで抽出されたCNAについて「次世代シークエンサー」という手法で解析することにより、この仮説の検証が可能になると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
われわれは、口腔扁平上皮癌からFNA(fine-needle aspration)を用いて採取した癌細胞を対象にFISH法(fluorescence in situ hybridization)をおこなうFNA-FISH法による遺伝子解析を確立化した。 さらに臨床検体を用いているため、それら各症例の臨床病理組織学的データとの関連性についても統計学的に評価することができた。その結果、主に細胞周期関連遺伝子であるCyclin D1およびp16遺伝子と頸部リンパ節転移や予後との関連性について報告することができた。
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今後の研究の推進方策 |
FNA-FISH法を用いた特定の染色体領域のコピー数異常の解析にとどまらず、SNPマイクロアレイを用いた口腔扁平上に癌における全ゲノムコピー数を網羅的に評価する。具体的には頸部リンパ節転移をきたした舌癌症例を用いて原発巣および転移巣からそれぞれゲノムDNAをサンプリングし、それらをOncoScan FFPE Assay kit(Affymetrix社)を用いてコピー数変異(Copy number alteration:CNA)の解析をおこない、その結果舌癌の転移に直接関与するCNAの特定を目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
われわれは、口腔扁平上皮癌からFNA(fine-needle aspration)を用いて採取した癌細胞を対象にFISH法(fluorescence in situ hybridization)をおこなうFNA-FISH法を確立化した。さらに、主に細胞周期関連遺伝子であるCyclin D1およびp16遺伝子と頸部リンパ節転移や予後との関連性について報告してきた。 その経験を活かし、FNA-FISH法を用いた特定の染色体領域のコピー数異常の解析にとどまらず、SNPマイクロアレイを用いた全ゲノムコピー数を網羅的に評価することを考えている。
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次年度使用額の使用計画 |
FNA-FISH法を用いた特定の染色体領域のコピー数異常の解析にとどまらず、SNPマイクロアレイを用いた全ゲノムコピー数を網羅的に評価することを考えている。具体的には頸部リンパ節転移をきたした舌癌症例を用いて原発巣および転移巣からそれぞれゲノムDNAをサンプリングし、それらをOncoScan FFPE Assay kit(Affymetrix社)を用いてコピー数変異(Copy number alteration:CNA)の解析をおこない、その結果舌癌の転移過程において、「転移に直接関与するCNA」を特定する。 今後、可能であれば、SNAマイクロアレイで抽出されたCNAについて「次世代シークエンサー」という手法で解析することにより、この仮説の検証が可能になると考えている。
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