研究課題
プログラムされた細胞死にはアポトーシスと非アポトーシス細胞死が存在する。口腔癌に対し、抗がん剤を使用したにもかかわらず、その効果に乏しい症例が存在する。そのような癌細胞では、非アポトーシス細胞死である「オートファジー細胞死」機構が抑制されているため、抗がん剤により本来死ぬべき癌細胞が生存してしまう。口腔癌の生体試料を用いてこれらの「オートファジー細胞死」抑制機構を解明することで、正確な化学療法効果予測を確立することは、癌の治療において極めて有意義なものである。当分野において口腔癌と診断され、その遺伝子発現への網羅的解析研究への協力の同意が得られた患者の、生検あるいは手術により摘出された組織を研究対象(以下、サンプル)としている。研究初年度では随時サンプルを蓄積、保存しており、その数は現在まで既に100例を越えている。研究次年度も、また研究期間を延長した年度においても引き続きサンプルの蓄積と保存は継続した。また、それらのサンプル中で、化学療法が奏効した癌細胞と、化学療法が無効であった癌細胞を識別し、抽出した。遺伝子の網羅的解析法を用いて、それらの遺伝子発現プロファイリングデータについても随時蓄積した。研究次年度では、得られたプロファイリングデータを解析し、「オートファジー細胞死抑制遺伝子」候補を抽出し、その候補遺伝子の発現解析をRT-PCR法及び遺伝子導入やRNA干渉を行うことで解析作業を進めた。このデータ量が膨大であったため、研究期間を延長することとなった。候補遺伝子のタンパクレベルでの制御状況についてもウエスタンブロット法を用いて解析作業を進めた。
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