研究実績の概要 |
本研究は、癌個別化医療に寄与する新規核酸医薬としての臨床応用が可能な癌抑制遺伝子型miRNAの同定、ならびに新たな癌治療法としての癌抑制遺伝子型miRNA補充療法の確立を目標としている。平成25年度は合成二本鎖miRNA(ds-miRNA)ライブラリーを用いた機能的スクリーニングを施行し、癌抑制遺伝子型miRNAを数種選出した。合成 ds-miRNAライブラリーの機能的スクリーニング: 327種類のmiRNA配列を持つ市販の合成ds-miRNAライブラリー (Pre-miR; miRNA Precursor Library - Human V2, Ambion社)を複数の口腔扁平上皮癌細胞株とヒト正常口腔粘膜上皮由来不死化細胞株RT7へLipofectamine RNAiMAX (Invitrogen社)を用いて遺伝子導入後、各癌細胞株におけるin vitro細胞増殖能をMTT法で数値化して比較・検討した。その結果、細胞増殖抑制活性を各細胞株で共通して認め、且つヒト正常口腔粘膜上皮由来不死化細胞株RT7では細胞増殖抑制活性を認めないmiRNAを候補として選出した。平成26年度、平成27年度は、Webで公開されている公的予測データベースの検索にて標的分子の候補を選出し、その選出した癌抑制遺伝子型miRNAの標的遺伝子の同定と分子機序について、発現解析やDNAメチル化解析を組み合わせた総合的解析を行っている。
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