研究課題/領域番号 |
25861920
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
船山 昭典 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80529686)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 上皮内癌 / 初期浸潤癌 / 癌間質 |
研究概要 |
上皮内癌下層に位置する異常結合組織層と浸潤癌間質との類似性および、異型上皮または性状上皮のそれとの相違点を脈管配置・細胞外基質の発現/消失を免疫組織学的に証明し上皮内癌に誘導される間質の存在を証明することを最終目標として研究を開始した。 sequence 発生癌の病理組織学的検討として、当院歯科病理検査ファイルより抽出したヒト舌外科材料パラフィン連続切片を製作し、ヘマトキシリン・エオジン染色切片にて病理組織学的に検討し、正常上皮・異型上皮・上皮内癌・初期浸潤癌を区別し各病変範囲を決定し研究の基本データを構築した。血管および、リンパ管の量的および質的解析を目的にCD31 および抗ポドプラニン抗体により免疫組織学的に容易に血管とリンパ管を区別可能であった。その結果、正常上皮ではスムースな管壁を有したリンパ管が、粘膜固有層および下層に均一に分布しており、固有層乳頭部にはリンパ管はほとんど分布していないことが分かった。異型上皮では、正常上皮と類似したスムースな管壁を有したリンパ管が均一に分布していた。一方、上皮内癌では、リンパ管は固有層乳頭部にも存在し管腔が閉塞して管壁が不規則なリンパ管を多数認めた。これは、浸潤癌の間質に分布するリンパ管と類似していた。平均リンパ管短径は正常上皮で13.3μm、異型上皮で16.2μm、上皮内癌で8.8μm、浸潤癌で7.5μmで上皮内癌と浸潤癌では類似していた。平均リンパ管数は、正常上皮で22.5(個/mm2)、異型上皮で17.5(個/mm2)、上皮内癌で24.2(個/mm2)、浸潤癌で20.8(個/mm2)であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ初年度の計画通り実施できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、病変毎の微小血管の分布様式および、粘膜固有層の線維化について分析を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験薬品が既存のもので使用可能であったため。 消耗薬品、抗体の等の購入に使用予定である。
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