研究実績の概要 |
粘膜固有層の線維化による、細胞外基質のタンパクレベルでの影響を調査し、癌間質のそれと比較することにより、上皮内癌の粘膜固有層の癌間質としての可能性を明らかにする目的で細胞外基質である、collagen type I, collagen type III, elastin, actin, laminin, tenascin, fibnonectin ,perlcan, α-SMA の免疫組織化学を行い、その発現/消失を調査した。 その結果、正常上皮異型上皮では、elastinの均一な網目状の発言が認めたれたのに対し、上皮内癌で線維化の亢進した粘膜固有層では、elastinの均一で網目状の分布は消失し、不規則な凝集塊を形成していた。 また、collagen type I, collagen type III, actin, laminin, tenascin, fibnonectin に関しては、粘膜固有層において、上皮内癌および、正常上皮、軽度異型上皮、中等度異型上皮との間で明確な発言の差異は認めなかった。 α-SMA による、粘膜固有層下の筋線維は、線維化が進行している上皮内癌において、筋線維の断裂が見られ、脂肪変性している所見が得られた。これは、異型上皮においても、粘膜固有層の線維化が亢進している症例で認められた。 perlcanにおいては、正常上皮および、異型上皮では、粘膜固有層に発言を認めたのに対し、上皮内癌では、粘膜固有層には認めず、上皮層内にその発現を認めた。
|