研究課題/領域番号 |
25861929
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
濱田 正和 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80506361)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 癌幹細胞 / 分子標的治療 |
研究概要 |
新規の分子標的薬の開発には目覚ましいものがある。しかし、口腔癌に対する分子標的治療は他領域の悪性腫瘍に比べて開発が遅れており、まだ始まったばかりである。大きな期待が持たれたEGFRをターゲットとした分子標的治療も、従来の治療を大きく凌駕する結果は得られていない。そこで、治療に抵抗して生残り、再発の原因となる癌幹細胞を治療対象とし、新たな分子標的をターゲットとした研究を進めて行くことが重要である。頭頸部癌では2007年に癌幹細胞としての性格を示す細胞群が報告されて、CD44が癌幹細胞マーカーとして知られている。癌幹細胞の調整法はFACSを用いてソーティングする方法、磁気ビーズによる分離法が知られている。現在MACS社の磁気標識を利用し、ビーズにてCD44陽性細胞を分離していくことが出来た。今後このCD44陽性細胞を用いて、癌幹細胞の分子標的治療、とりわけ抗癌剤耐性に対して大いに貢献できると考える。また抗癌剤と抗癌剤とを併用した研究は数多くされている。単純に併用することではこれまでの抗癌剤と同様に正常細胞への傷害は避けられない。しかし腫瘍におけるシグナル異常の特異性を明らかにするとともに各シグナルの阻害効果及びどの阻害剤の併用が最も効果的になるかについて検討するが重要と考えた。Safingolは単剤でcaspase非依存的にアポトーシスを誘導すること、GGTI-298を用い細胞の運動、浸潤能についてはすでに報告している。このGGTI-298とsafingolとの併用にて相乗効果が起こるを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度予定していた、MACS社の磁気標識を利用し、ビーズにて効率的にCD44陽性細胞を分離していくことが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
safingolを用いてcaspase非依存的な経路におけるアポトーシスメカニズムを解明していくとともに、CD44陽性細胞におけるその効果を確認していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
建て替え論文掲載費が188351円が3月末に生じたが、不足が生じたため、次年度に処理することとした。 論文掲載費を使用後は、ほぼ当初の計画通りの額のため、当初の計画通り使用予定である。
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