宿主細胞はウイルスの侵入を検知し防御応答を行っている.Retinoic acid inducible gene-I(RIG-I)は細胞内レセプターでウイルスRNAを認識しI型IFNを分泌するが口腔粘膜細胞での報告はなく,今回口腔粘膜が担う免疫応答メカニズムを解明するため,口腔粘膜上皮細胞,線維芽細胞のRIG-Iの発現と機能の検討を行った.結果,口腔粘膜上皮細胞(RT7)と歯肉線維芽細胞(GT1)はRIG-Iを発現しRIG-Iを介しdsRNAを認識しIRF3/STAT1経路でIFN-β,CXCL10を発現することを明らかにし,口腔粘膜がRIG-Iを介した特異的な免疫機構を持つことが示唆された.
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