本研究では抗癌剤ドセタキセル(DOC)耐性口腔扁平上皮癌細胞株を用いてDOC耐性機構を検討した。 マイクロアレイ解析を用いて、口腔扁平上皮癌細胞株とそれぞれのDOC耐性口腔扁平上皮癌細胞株間に特異的な発現変動を示す遺伝子を検索することにより、口腔扁平上皮癌におけるDOC耐性因子として、receptor transporter protein 3 (RTP3)を同定した。またDOC併用化学療法を行った口腔扁平上皮癌患者40名において、RTP3の高発現は、本治療に対して有意に抵抗性を示すとともに転帰不良であった。RTP3はDOCを用いた化学療法の治療効果予測因子となる可能性が示唆された。
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