平成25年度には、細胞実験により新規磁性抗癌剤EI236によるヒト由来扁平上皮癌OSC19細胞のアポトーシスの誘導、細胞遊走能の抑制を明らかにし、新規磁性抗癌剤EI236は抗腫瘍効果のみならず、ヒト由来扁平上皮癌細胞OSC19の細胞遊走能を低下させることを証明した。またヌードマウスBALB-c nu/nuの舌縁にヒト由来扁平上皮癌細胞OSC19を局所注射することにより、ヌードマウスの舌癌頸部リンパ節転移モデルを完成させた。 平成26年度には、作成法を確立させたヌードマウスBALB-c nu/nuの舌癌頸部リンパ節転移モデルに、新規磁性抗癌剤EI236を投与する際の最適濃度と投与量をLD50の理論に基づいて検討を行い、決定した。この最適濃度と投与量で、新規磁性体EI236をマウス舌癌頸部リンパ節転移モデルの舌に局所注射したところ、薬剤が頸部の転移リンパ節にも流入していることを病理組織学的に確認した。さらに、新規磁性体EI236を局所注射したマウス舌癌頸部リンパ節転移モデルに対して、交流磁場装置を用いた磁場印加によるハイパーサーミアを行い、舌腫瘍を摘出して病理組織学的検索を行ったところ癌細胞の消失を認めた。 平成27年度には、実際の臨床を想定し、動物実験用サーモトロンを用いて新規磁性体EI236を局所注射したマウス舌癌頸部リンパ節転移モデルに対してハイパーサーミアを施行したところ、病理組織学的に抗腫瘍効果を認めた。
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