口腔扁平上皮癌患者において、大きな頸部リンパ節転移や多発リンパ節転移を有する症例は予後が不良である。このような症例に対して、われわれは浅側頭動脈と後頭動脈を入口とした逆行性超選択的動注化学放射線治療に加えて、頸部への温熱療法を併用している。一方でわれわれは、磁性を有し、磁場による薬剤輸送システムと抗腫瘍効果を併せ持つ薬剤EI236を開発した。本研究で、EI236の抗腫瘍効果、交流磁場印加による温熱療法の効果を、腫瘍細胞およびマウスの舌癌モデルにおいて評価したところ、細胞実験と動物実験の両方でEI236は抗腫瘍効果を示し、さらに交流磁場印加によって抗腫瘍効果は増強された。
|