研究実績の概要 |
口腔癌細胞株におけるこれら標的分子の発現度を解析し、EGF, IL-13受容体の発現率とリン酸化活性について明らかにした。さらに口腔癌のマウスモデルにおいてセツキシマブと殺細胞性抗癌剤であるドセタキセルを同時投与した際にその投与経路の違いにより抗腫瘍効果に大きな差が見られる事を見出した。ドセタキセル(TXT)とセツキシマブ(cet)の組み合わせについて解析を行った。最も抗腫瘍効果が高い群はCetuximab (IP)+TXT (IT)で、ほとんどの腫瘍が消失した。次いでCetuximab (IP)+Cetuximab (IT)、Cetuximab (IT)+TXT (IP)、TXT (IP)+TXT (IT)の順であった。つまり全身投与と局所投与によって薬剤分布や微小環境に与える効果の差が見られ、よって抗腫瘍効果の差が見られたものと考えられた。さらにこれらの薬剤の投与開始を変化させ、同時投与群と比較することでそれぞれの薬剤および投与経路の違いによる微小環境変化の差を解析した。
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