硼素中性子補足療法(BNCT)は、高LET放射線を利用した治療である。本研究はBNCTによる癌細胞の生と死の制御機構を明らかにすることを目的とした。ヒト歯肉扁平上皮癌細胞を用い、低LET放射線の殺細胞効果、アポトーシスの出現頻度を確認した。また、caspase3とPARPの活性が上がることを確認。10%生存率となる低LET放射線ではp53変異型遺伝子を有する癌細胞においては、アポトーシス出現頻度は10%程度であることが確認できた。 研究期間中、京都大学原子炉実験所での研究課題としては採択されていたが、東日本大震災以降は原子炉が稼働していなかったため、低LET放射線による研究のみとなった。
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