パーキンソン病(PD)は咀嚼障害と嚥下障害を引き起こし、誤嚥性肺炎のリスクを高める。そのため、PD患者には適切な摂食指導が求められるが、咀嚼・嚥下障害を介護者が早期に発見することは困難である。そこでPDの進行度と咀嚼運動の変化について検討した。被験者の頬骨弓前部ならびに頤部にカラーラベルを貼付し、試料咀嚼時の運動を高速ビデオカメラにて撮影し、モーションキャプチャ技術を用いて解析した。その結果、PD患者の咀嚼運動では開口-閉口-咬合で構成される咀嚼サイクルの速度緩徐化と下顎移動量の減少に加えて、咀嚼サイクル間のインターバルの延長が認められた。
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