この研究は、口腔扁平上皮癌におけるリンパ節転移の新たな治療戦略を画策することを目的として、口腔癌微小環境内における腫瘍関連マクロファージ(M2マクロファージ)に着目して検討を行った。結果は、M2マクロファージ強発現群は、有意に局所進行とリンパ節転移および予後に関連性を認めた。また、M2マクロファージ強発現群において腫瘍細胞におけるCOX-2・VEGF-C発現の間には、統計学的有意差を認めなかったものの、高値を示す傾向を認めた。口腔癌微小環境内におけるM2マクロファージは、腫瘍の増殖・転移を抑制する治療ターゲットになることが示唆された。
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