研究課題/領域番号 |
25861979
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
宮本 重樹 東京医科大学, 医学部, 臨床研究医 (80420975)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | iPDT / taraporfin sodium / 再発頭頸部癌 / QOL |
研究概要 |
Interstitial photodynamic therapy (以下iPDTと略す)は放射線化学療法後の転移のない局所再発舌根癌に対する治療戦略のひとつとして、近年、海外において複数の研究報告がみられる。現在までにtaraporfin sodiumと腫瘍内挿入型probeを用いたマウス舌癌に対するiPDTの治療効果を評価した報告はない。動物実験において有用な結果が得られた場合、根深い再発頭頸部癌に対するQOLを重視した“last hope”治療として臨床応用されることが本研究の目的である。KSNストレイン6~8週齢のヌードマウスを実験動物に用いる。ヒト扁平上皮癌を移植した動物モデルを使用する。担癌マウスの尾静脈からカテーテルを挿入し、taraporfin sodiumを投与し、2時間後の至適光感受性薬剤濃度の際に試作の腫瘍内挿入型probeを使用し、励起波長664nm、照射パワー密度100mW、照射エネルギー密度100JでiPDTを施行する。施行48時間後にエーテル麻酔下に腫瘍切除し、ホルマリン固定後にHE染色し、治療効果の評価を行う。Ceralas Bare Fiber 600μm(biolitec社)およびCylindrical Diffusor CD-405-30-C (biolitec社)を用いた改良型probeの作成が完了したため、本年度は予定通り動物実験を施行する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度はiPDTのmodified probeの作成を行ったが、計画段階のprobeよりも組織深達性が期待できるため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は新しいprobeの治療効果の基礎的検討を行う。マウス舌癌に対してtaraporfin sodiumと試作のprobeを用いたiPDTを施行しその治療効果を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物実験に使用するヌードマウスおよび舌癌細胞株購入のため KSNストレインの雌、6週齢から8週齢のヌードマウスを実験動物に用いる。ヒト舌癌細胞株でHSC-2細胞(高分化角化型)、HSC-3細胞(低分化角化型)を3×106個ヌードマウス(各10匹)の右脇腹皮下に無菌的に移植し、移植2週間後に腫瘍径が約20mmに達した動物モデルを使用する。本研究では異なる2種類のヒト舌癌細胞株を用いる予定である。上記と同様に担癌マウスの尾静脈からカテーテルを挿入し、レザフィリン(10mg/kg)を投与し、2時間後の至適光感受性薬剤濃度の際に従来の直射型probe及び改良した組織刺入型probeをそれぞれ使用し、移植腫瘍部にレーザー照射を行う。PDT施行2日後にエーテル麻酔下に腫瘍を切除し、ホルマリン固定後にH-E染色した標本上でレーザー照射皮膚部からの壊死範囲を計測し、直射型と組織刺入型のレーザー装置をそれぞれ用いた場合の腫瘍細胞の殺細胞効果を病理組織学的に検討する。
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