変形性関節症への水溶性フラーレンを用いた新規治療法の開発を目的として研究をスタートした。ヒト滑膜細胞に対し、培養液中に水溶性フラーレンを添加し反応を見たところ、高濃度域での細胞増殖の抑制傾向が見られた。培養上清中の炎症性サイトカインをELISAにて測定したところ、減少が見られた。正常滑膜細胞と炎症性滑膜細胞の比較では、炎症性滑膜細胞では有意な減少は見られなかった。今後は正常細胞へのメカニカルストレス等による炎症を惹起させての抗炎症効果、動物実験での組織における抗炎症性効果とフラーレンの代謝を研究する予定である。
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