研究課題/領域番号 |
25861992
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 邦彰 北海道大学, 大学病院, 医員 (70613777)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 不正咬合自然発症 / モデル動物 |
研究概要 |
歯科矯正学において、不正咬合の原因を究明することは矯正治療の根幹に関わる研究テーマである。その中でも先天的に短肢症を生じるBALB/c-bm/bm系マウスの軟骨合成が低下しており、硫酸化グリコサミノグリカン濃度も低いために、軟骨異形成症様の異常を示すことをが明らかとなっている。 「BALB/c-bm/bmマウスの系統維持および飼育に関して」実験動物であるBALB/c-bm/bmマウスを、名古屋文理大学健康生活学部栄養学科生理学教室より輸送しようとしたところ、同教室がマウスを預けて系統維持している名古屋市立大学大学院医学研究科病態モデル医学分野&実験動物センターの飼育室にて肺スパツレラ陽性のモニタリング結果が報告された。そのため、同マウスの北海道大学への輸送にあたり、マウスのクリーニング業務開始、作出された(F1)動物の微生物学的モニタリング実施、SPF動物を確認したうえで、交配・F2の作出開始、妊娠動物と微生物の検査成績書を添付の上、北海道大学へ移送という手順が必要となった。同工程には数ヵ月を要し、昨年末に実験動物が搬入された状態である。 「鼻中隔軟骨における軟骨基質と軟骨細胞の組織学的観察に関して」現在組織切片の作成中であり、種々の染色法を用いて解析を行う予定である。 「その他」本実験に対する知識を深め、さらなる可能性を模索する目的で、当実験に関する論文を集め、発表に関する調査および学会での当該分野における研究リサーチを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験当初に実験動物であるBALB/c-bm/bmマウスを、名古屋文理大学健康生活学部栄養学科生理学教室より輸送しようとしたところ、同教室がマウスを預けて系統維持している名古屋市立大学大学院医学研究科病態モデル医学分野&実験動物センターの飼育室にて肺スパツレラ陽性のモニタリング結果が報告された。そのため、同マウスの北海道大学への輸送にあたり、マウスのクリーニング業務開始、作出された(F1)動物の微生物学的モニタリング実施、SPF動物を確認したうえで、交配・F2の作出開始、妊娠動物と微生物の検査成績書を添付の上、北海道大学へ移送という手順が必要となったため。
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今後の研究の推進方策 |
BALB/c-bm/bmマウスの系統維持に関しては、名古屋文理大学健康生活学部健康栄養学科解剖生理学教室の平林義章教授のご協力が不可欠である。そして、申請者らの大学で行っている系統からの供給が難しくなった場合は同教室から供給を受ける体制が構築されている。各実験にはBALB/c-bm/bmマウスのうち不正咬合を自然発症するマウスは約10%であるため、不正咬合発症マウスを用いる実験では、いかに系統維持させるかにかかっている。系統維持は実験期間を通して行っていくが、自然発症であるため、n数が集まらずに実験が開始できない可能性も示唆される。BALB/c-bm/bmマウス系を確立した名古屋文理大学健康生活学部健康栄養学科解剖生理学教室では十分な数の系統維持がなされているため、その際は再度同大学より不正咬合自然発症マウスであるBALB/c-bm/bmマウスを輸送して実験を行っていく。BALB/c-bm/bmマウスのクリーニングを行い本学に搬入された後、系統維持されたBALB/c-bm/bmマウスのうち不正咬合を自然発症しているものと正常咬合を有するものを用いて、胎生期の鼻中隔における骨・軟骨気質の解析と咀嚼能率の検討を行っていく予定である。 また、BALB/c-bm/bm不正咬合自然発症マウスとBALB/c系正常咬合マウスの経時的な比較検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験動物として使用する予定であったマウスの感染により、当初の実験計画通り進まなかった。 今年度の研究費のうち813,030円を次年度の研究費として移行して使用することとなった。当研究費および次年度の研究費は申請の通り研究に必要なAmerican Associaton of OrthodontisやCanadiAssociaton of Orthodontistsなどへの学会の参加などに使用する計画である。
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