本研究では歯質の石灰化の状態に影響する要因として細胞内での小胞輸送および分泌に着目し、小胞輸送において小胞がターゲットとなる膜に特異的に融合する機構に関与するタンパク質として知られているSNARE(Soluble NSF Attachment protein Receptor)タンパク質の1つであるSnap23がエナメル芽細胞に特異的に発現することを明らかにした。このことから、エナメル芽細胞特異的にSnap23を欠損するコンディショナルノックアウトマウスを作製し、表現型解析を行った結果、同腹のコントロールマウスと比較し、第一臼歯におけるエナメル質の形成量が少ない傾向がみとめられた。
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