研究課題/領域番号 |
25862016
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
國松 亮 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (40580915)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 矯正歯科 / 歯周組織 / シグナル伝達 / レーザー |
研究概要 |
平成25年度は、歯周組織構成細胞を用いたin vitro 実験系により、増殖能および基質産生能に対する半導体レーザーの影響について検討を行った。MTS 法および ELISA BrdU 法を用いた培養細胞における細胞増殖能の検討により、半導体レーザーの低出力照射は、歯周組織構成細胞の一つであるヒト由来歯髄細胞の細胞増殖能を有意に増加させた。 また、ATP determination Kit を用いて ATP 産生の変化についても検証した。半導体レーザーの低出力照射は、ヒト由来歯髄細胞の ATP 産生量を有意に増加させた。そして、細胞の基質代謝能に対するレーザー照射の影響についての検討では、まず、骨代謝マーカー (アルカリフォスファターゼ (ALP)、I型コラーゲン (COLL-1)、デンチンシアロプロテイン (DSPP) ) の発現レベルについて現有の定量PCR (Light cycler 350S) を用いた遺伝子解析およびWestern blot 解析を行った。半導体レーザーの低出力照射は、ヒト由来歯髄細胞のALP、COLL-1および DSPP の遺伝子発現を有意に亢進させた。また、定量 Western blot 解析による検証では、半導体レーザーの低出力照射により、ALP、COLL-1 および DSPP のタンパク質の発現を亢進させた。そして、アルカリフォスファターゼ活性および培養液中のCaレベルを定量評価した。半導体レーザーの低出力照射により、ALP 活性および培養液中の Ca 量のレベルも有意に増加した。さらに、アリザリンレッド染色法を用いた石灰化能の検討では、半導体レーザーの低出力照射は、ヒト由来歯髄細胞の石灰化能を亢進させた。 以上の結果を踏まえ、平成26年度ではin vitro 実験系を継続するとともに、動物を用いた検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は、歯周組織構成細胞を用いたin vitro 実験系により、増殖能および基質産生能に対する半導体レーザーの影響について検討を行い、半導体レーザー照射は、培養ヒト由来歯髄細胞の増殖能および基質産生能を亢進させる事を明らかにした。これによりレーザー照射の最適な設定条件が確定したものと考えられるため、おおむね順調に進展しているものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、歯周組織構成細胞を用いたin vitro 実験系により、増殖能および基質産生能に対する半導体レーザーの影響について検討を行い、半導体レーザー照射は、培養ヒト由来歯髄細胞の増殖能および基質産生能を亢進させる事を明らかにした。これによりレーザー照射の最適な設定条件が確定したものと考えられる。 以上の結果を踏まえ、in vitro 系の研究を継続するとともに、動物実験によるin vivo 系の検証を行う予定である。
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