本研究は、矯正学的歯の移動時の歯根吸収予防法の確立を最終目標として、フラボノイドの持つ抗炎症作用および骨代謝への影響に着目し歯の移動と歯根吸収へのフラボノイドの影響を検討した。全身麻酔下で矯正装置を装着したマウスの臼歯を12日間移動させた後、歯の移動距離をμCTにて計測、抜歯後に走査型電子顕微鏡下にて評価し歯根吸収率を求めた。フラボノイド投与群と対照群の歯の移動量および歯根吸収率に有意な差を認めず、フラボノイドが歯の移動および歯根吸収に影響を与えることは確認できなかった。フラボノイドの至適量は不明であり、今後、至適投与量について、また歯の移動時の至適矯正力との関係についても検討が必要である。
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