う蝕はS. mutansのバイオフィルム(B.F.)に起因しており、ペリクルへの初期付着から始まる。本研究では初期付着の阻害に主眼を置き、SspBペプチドを用いたS.mutansのB.F.制御法の確立を目的とした。 (1) ヒト唾液との反応性が最も高いSspBペプチド (A4K-A11K) による初期付着阻害効果は、S. mutansに特異的に認められた。(2) A4K-A11Kに殺菌作用は認められなかった。(3)A4K-A11Kを添加してS. mutansを培養すると、疑似ペリクル上のB.F.形成は抑制された。 以上より、A4K-A11Kは新規 B.F.制御法に応用できる可能性が示唆された。
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