低ホスファターゼ症(HPP)は、組織非特異型アルカリホスファターゼ(TNALP)の遺伝子変異によって起こる疾患である。TNALP は全身に発現しているにもかかわらず、症状は歯や骨に認められ、くる病や骨軟化症様の症状や歯の異常をきたす。歯の異常はHPPのどの病型にも認められるが、エナメル質の欠損について原因は明らかとなっていない。 本研究では、HPPモデルマウスの歯髄幹細胞を含む細胞を用いて、マイクロアレイ解析および生後5日の歯胚を用いて遺伝子発現の定量を行った。HPPモデルマウスにおいて、野生型と比較しエナメルタンパク遺伝子の発現が低く、エナメル質形成に影響している可能性が示唆された。
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