研究概要 |
1)in vivo 歯周炎-PLAP-1遺伝子多型解析モデルの構築 a)マウス歯周炎モデルを用いたin vivoにおけるPLAP-1の機能解析 はじめに、C57BL/6 野生型マウスの第二臼歯に対し、Porphyromonas gingivalis(P.g.)を一晩浸漬した絹糸を結紮し、絹糸を結紮した状態で2週間飼育、さらに2週間後に絹糸の除去を行い、絹糸結紮後、2、3、4週間経過した同部位の骨レベルをマイクロCTを用いて解析した。コントロール群として、カルボキシルセルロースを浸漬した絹糸を用いた。その結果、絹糸結紮後、4週間後のマイクロCT解析において、コントロール群と比較し、P.g.群で有意に骨レベルが低いことが明らかとなった。次に、当教室で樹立に成功しているPLAP-1 KOマウスに対し、上記のマウス歯周炎モデルを適応し、野生型マウスと比較・検討した。その結果、P.g.を浸漬した絹糸を用いた際、野生型マウス群と比較し、PLAP-1 KOマウス群において有意に骨レベルが高いことがわかった。これらのマウスの歯肉からmRNAを回収し、リアルタイムPCR法を用いて炎症性サイトカインの発現の検討を行った結果、PLAP-1 KOマウス群においてCXCL10の発現が低いことがわかった。これらのマウスの微細環境で生じている現象について、さらなる詳細な検討が必要である。 b)マウス歯周炎モデルにおけるPLAP-1遺伝子多型と炎症応答の関連の検討 D13型PLAP-1,D14型PLAP-1を発現する5次アデノウイルスの作製を行った。この作製したアデノウイルスを濃縮・精製し、PLAP-1 KOマウス周囲歯肉に感染させることで、PLAP-1遺伝子多型と歯周炎炎症応答の関連を詳細に検討する必要がある。
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