研究実績の概要 |
歯周組織再生療法の確立は各々の歯周組織(歯槽骨、歯根膜、歯肉およびセメント質)に存在する細胞(歯周組織構成細胞)の生物学的特性を理解する事が重要である。今回、患者から採取したヒト歯根膜細胞 (HPDL)を用いて、歯周組織で特異的に発現している転写因子をノックダウンする事で、HPDLがどのような表現型の細胞に分化誘導されるか検索した。HPDLは37℃、5%CO2インキュベーター内で培養し、10%ウシ胎児血清および抗生物質 (100unit/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシン) を含む Dulbecco's modified Eagle's medium (DMEM) 培養液を用いた。平成25年までの研究で歯周組織で特異的に発現している転写因子(KLF12, Twist2およびPax9)を同定した。そこで35㎜ディッシュにHPDLを播種し、3つの転写因子のsiRNAをオリゴフェクタミンを用いて72時間トランスフェクションし、細胞を回収し、全RNAを抽出後、Real-time PCRにて各種転写因子のRNAの発現量を検索した。3つの転写因子をノックダウンするとSox5mRNA 発現量が増加し、Sp7mRNA発現量は減少した。
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