歯周病と動脈硬化性疾患のメカニズムを明らかにする基礎的研究として、急性炎症マーカーである血清アミロイドA(以下SAA)に着目し、ヒト大動脈血管内皮細胞(HAEC)を用いて、SAAがHAECにどのような影響をおよぼすかを解析した。その結果、SAAは血管内皮細胞のTLR2を介して炎症性因子の産生を誘導し、その後接着分子の発現を誘導した。また、TLR2下流のMyD88の発現は著変がなかったことから、SAAが作用したTLR2の下流にMyD88 非依存経路が存在する可能性が示唆された。以上より、SAAをマーカー分子として用いることにより、歯周病と動脈硬化症発症の関係を明らかにできる可能性がある。
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