研究課題/領域番号 |
25862067
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
相野 誠 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (20572811)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 歯槽骨再生 / 中高齢者 |
研究概要 |
歯周病は国民の多くが罹患する疾患であり、重症化した場合は多量の骨欠損を伴い、歯を喪失する。現在臨床では限られた症例にのみ歯周病で破壊された組織の再生が行われている。このような重症化した症例に見られる多量の骨欠損においてヒトの骨の再生量には限界がある。破壊された組織の再生には適切な細胞、足場材料が必要とされる。その中で細胞に着目した場合、多分化能を有する幹細胞が利用されることが多いが歯周組織への分化の完全な制御は難しい。そこで申請者は安定した細胞を供給のため、分化が決定した未熟な骨芽細胞を用いる事を考えた。すでに申請者は増殖能力のある未熟な骨芽細胞を成人から分離培養することには成功したが、細胞を用いて、より確実な骨組織再生治療を目指すためには得られた細胞のクオリティーを評価する必要がある。そこでこの細胞の詳しい機能解析を行うため本研究の研究計画を立案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定どおり愛知学院大学歯学部附属病院歯周病科受診患者の中でインフォームドコンセントを行い、研修の趣旨を理解し同意の得られた患者より歯槽骨の採取を行い解析を進めている。10 人以上の患者より細胞を得ることを目標とし、現在4名からの細胞の採取に成功し解析を行った結果、30日以上培養が加納であり、高井増殖能力を有していることがが判明した。また、HAIOBの骨形成能力はin vitro において石灰化誘導培地用いて培養し、アルカリフォスファターゼ活性の解析により骨芽細胞分化能力の解析とアリザリンレッド染色を行うことにより石灰化能力を有すること判明した。また、これまでの結果を論文にまとめ投稿準備をおこなっている。以上からほぼ当初の計画通り進捗していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
概ね計画通り進めていく予定である。in vivoではSCIDマウスやヌードマウスを用いて移植実験を行う予定であったが、採取した細胞が高い石灰化能力を有していることから皮下移植実験だけではなく骨欠損モデルに対しての細胞移植治療実験を計画している。定より若干サンプルの数が少ない分、余剰研究費があるため本年度に繰り越し実験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
細胞採取の人数の目標を10人としていたが約半数のサンプル数で研究を進めているため、試薬などの物品費が予定より少なくなった。しかしながら採取した細胞が高い石灰化能力を有していることから、次年度に新たに骨欠損モデルマウスに細胞移植実験を行うことを計画した。 得られた細胞が高い石灰化能力を有していたことから、SCIDマウスの頭蓋冠に自然治癒不可能な大きさの骨欠損を作成し、採取したヒト骨芽細胞を移植することにより骨欠損が治癒するかを解析する。治癒出来ているかの解析には軟X線及びマイクロCTを用いた評価と、組織学的な解析にて行う予定である。
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