研究課題/領域番号 |
25862072
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村上 任尚 東北大学, 大学病院, 助教 (70451606)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 前向きコホート / 動脈硬化 / 歯周病 |
研究実績の概要 |
本研究は、地域一般住民を対象に、脳心血管疾患の発症基盤である動脈硬化の進行と歯周病との関連を縦断的に検討し、両者の関係を明らかにすることを目的としている。 調査対象は申請者が参画している「大迫研究」のコホート集団(岩手県花巻市大迫町在住、55歳以上の男女)である。大迫研究は、東北大学大学院医学系研究科を中心に1986年より続く岩手県花巻市大迫町の一般住民を対象とした高血圧・循環器疾患に関する長期前向きコホート研究で、東北大学21世紀COE「医薬開発統括学術分野創生と人材育成拠点“CRESCENDO”」(2004-2009)の基盤研究でもある。歯科検診は2004年から導入されている。 平成26年度は、計5回(10/29, 11/26、1/28、2/25、3/11)の医科・歯科検診を実施した。検診を受診した128名に対し歯科パノラマX線撮影を含む歯科学検査(口腔内診査、歯周病検査、口腔衛生状態および義歯に関する聞き取り調査)と医科学検査(頸動脈超音波検査、上腕-足首間脈波伝播速度測定、脈波増大係数(AI)算出、血液検査、身体検査、喫煙歴・飲酒歴・既往歴等の聴取)を行い、歯周病を包括的に評価する歯科データ、動脈硬化の評価指標ならびに交絡因子となる各種データを得た。 国内有数の大規模コホートから得られるであろう本研究の結果は、歯周病が動脈硬化に及ぼすインパクトを明らかにするとともに、歯科的介入による動脈硬化リスク軽減の可能性を開くための重要な示唆を与えるものになると考えている。さらに国民の歯科保健への意識向上、とりわけ、児童や高齢者に比べて有効な歯科保健対策が取られていないとされる、歯周病が重症化する前の壮年世代への啓発につなげることが目標である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は、東北大学大学院薬学研究科臨床薬学分野、同医薬開発構想寄付講座、歯学研究科加齢歯科学分野、岩手県立大迫病院および岩手県花巻市大迫総合支所保健福祉課の協力により計5回の医科・歯科検診を実施し、全128名(男性56名、女性72名)から各種データを採得することが出来た。この128名には、過去に同検診の受診経験のある85名が含まれている。これにより本年度の検診終了時において、縦断調査の対象となりえる複数回受診者数は250名を越えた。 また、横断的な解析の結果ではあるが、2014年6月13~14日に福岡にて開催された日本老年歯科医学会第25回学術大会において、歯周病と動脈硬化の関連についての一般課題口演を成果報告として行った。 本年度は昨年度の105名よりも多い128名の検診受診があり、着実にコホートの拡大が達成されている。さらに、データの整理・解析を行いつつ得られた結果の一部を成果報告として学会にて発表することが出来た。以上より、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の調査対象は岩手県花巻市大迫町在住の55歳以上の一般住民であるが、「大迫研究」では、対象となる大迫町を4つの地域(大迫、内川目、外川目、亀ヶ森)に分け、1年ごとに異なる地域を検診対象とする形で行っている。そのため、同地域の検診は4年ごとということになる。平成27年度(外川目地区)は、約120名の受診を見込んでいる。 平成27年度は、本研究課題の申請期間の最終年度となるため、平成26年度に引き続き、被験者の選択、歯科・医科学検査を行いコホートの拡大および複数回受診者の抽出を行うとともに、これまでに行った横断的解析ならびに成果報告の内容を受けて、縦断的な検討を行う。得られた結果については、随時各種学会および学術雑誌において成果報告を行う予定である。 また、本研究の申請期間内に得られた調査結果はデータベース化し、将来的な追跡研究の基礎とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は、当初歯科パノラマX線撮影費および検診補助・データ整理に要する人件費・謝金として計上していた経費を、検診補助者旅費ならびに成果報告旅費に充てた結果生じた差分である。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度請求額とともに、歯科パノラマX線撮影費に使用する予定である。
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