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2013 年度 実施状況報告書

学校における体験型口腔健康教育プログラムの開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 25862075
研究種目

若手研究(B)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

大貫 茉莉  東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (40611520)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード学校歯科保健 / 口腔保健状況 / 味覚
研究概要

本研究では、児童生徒の口腔保健状況、生活習慣、保健行動、食生活習慣等がどのように変化するのか歯科的視点、教育的視点、行動科学的視点から総合的に評価し、その結果をもとにさらに効果的な口腔健康教育プログラムを開発し、その普及を図ることを目的としている。
平成25年度は、「味覚」をテーマとして研究に取り組んだ。小学校と中学校の児童・生徒を対象とした口腔内診査、および全口腔法で実施した基本4味(甘味、塩味、酸味、苦味)の味覚検査結果について分析を行った。味覚感受性の低下が認められたのは、全体で甘味6.3%、塩味14.3%、酸味20.9%、苦味6.0%であった。甘味・酸味・苦味に関しては、小学1~3年生、小学4~6年生、中学生と年齢が上がるにつれて味覚感受性低下者の割合は減少していた。一方、塩味においては、塩味感受性の低下者は、小学1~3年生で16.2%、小学4~6年生で8.7%、中学生で18.8%であり、中学生において塩味感受性の低下者が増加した。また小学生1~3年生の苦味の感受性は、性別による差が認められ、男子は女子と比較して感受性低下者が有意に多かった。味覚感受性低下の有無と口腔保健状況とに関連は認められなかった。
また、小学生1~3年生では酸味と苦味の味覚感受性低下者が28.8%、16.2%と比較的多くみられたことから、この年代ではまだ酸味や苦味の味覚自体を認識していない、あるいは味覚が完成していないことが考えられた。味覚検査の方法には様々な方法が存在するが、そのほとんどは高齢者等を対象としたものなので、今後、学校保健現場で応用していくためには、小学生や中学生などの低年齢層を対象にした味覚検査溶液の濃度や、滴下量に関しても検討していくことが必要と思われた。
その結果をもとに、味覚をテーマとした新しい体験学習型口腔健康教育プログラムを開発していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度は、児童・生徒を対象に口腔内診査、味覚基本4味検査結果(甘味、塩味、酸味、苦味)について分析を行い、興味深い結果が得られた。現在、これらの結果をまとめて、学会発表、論文発表して成果を公表しようと準備している。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、以下の研究を実施する予定である。
1.平成25年度の研究成果を学会で発表し、論文としてまとめる。
2.児童・生徒を対象とした調査や口腔健康教育を継続して行い、データ収集を行う。
3.新しい体験学習型健康教育プログラム実施後の児童・生徒の変化について調査し、分析を行う。

次年度の研究費の使用計画

当初購入予定であった器具滅菌用のオートクレーブを、他から借りて代用することができたため、購入費用が発生しなかった。また、倫理審査の結果を得るのに時間がかかり、研究開始時期が予定より遅れたため、学校での調査および健康教育等が十分できなかった。実際、学校現場では年度途中から、児童・生徒を対象とした調査や健康教育の日程を決めることは難しく、学校関係者らと打合せを行って日程を延期することにし、平成26年度にこれらの調査を行うことで合意している。
したがって、平成25年度実施を計画していた調査や健康教育等は、平成26年度に行って、研究経費を使用する計画である。
繰り越された費用の多くは、次年度の研究補助や実験補助に用いる予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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