研究実績の概要 |
本研究の目的は、児童生徒の口腔保健状況、口腔保健にかかわる行動、生活習慣、食習慣等がどのように変化するのかを歯科的、教育的、行動科学的視点から総合的に評価し、その結果をもとにさらに効果的な口腔健康教育プログラムを開発し、その普及を図ることをである。 初年度である平成25年は、味覚をテーマとして研究に取り組んだ。小学生、中学生、高校生の児童生徒を対象に口腔内診査、および全口腔法で実施した基本4味(甘味、塩味、酸味、苦味)の味覚検査を実施し、その分析を行った。 その結果をもとに平成26年度は論文の作成を行い、アクセプトされた(Ohnuki M, Ueno M, Zaitsu T, Kawaguchi Y. Taste hyposensitivity in Japanese schoolchildren, BMC Oral Health, 14: 36, 2014.)。 また、同年度は特に行動科学的視点から高校生を対象に研究を行った。10代後半である高校生は、歯周病の罹患に注意しなければならない時期である。歯周病は自分で気づきにくいため、自身で評価できるような健康教育プログラムが必須である。そのため、鏡を用いた自己評価法、爪楊枝を用いた自己評価法、知識提供を行い、口腔清掃状態、歯肉炎症状態の自己評価の改善を都内某高等学校生徒約360名を対象に検討した。本研究は現在、データを分析中であり、論文作成、学会発表を行う予定である。
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