本研究では咀嚼運動と嚥下反射の関係を検索し,最終的には咀嚼嚥下過程および嚥下反射惹起時の食物物性を明らかにすることを目的としていた.初年度,次年度の研究結果によって,咀嚼運動が嚥下反射惹起のタイミングに影響を与えることが示唆された.最終年度の研究結果より,嚥下直前の物性は食物,個人で異なっているものの,個人内の再現性は高いことが示された. 本研究より,咀嚼嚥下時の食物物性に関する基礎的データが明らかとなった。今後は,本データを使用することにより,摂食嚥下障害を持つ患者さんの臨床データから問題点を抽出し,安全な食形態の提供や効果的な摂食嚥下リハビリテーションを提供することが期待できる.
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