研究課題/領域番号 |
25862084
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
吉冨 泉 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (90363457)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 周術期口腔管理 / 歯性感染症 / 人工呼吸器関連肺炎 / 医科歯科連携 |
研究概要 |
当院で行った心臓手術のうち虚血性心疾患ならびに弁膜症関連手術を受けた患者に対し,術前から術後にわたる口腔管理を行いその意義を検証している. 評価項目については、口腔内因子としての定期的な歯科治療歴の有無,自覚症状の有無,術前の歯周炎の程度や残存歯数,う蝕歯数・程度,歯冠補綴物の適合度,抜歯を要した歯の本数,顎骨病変(根尖病巣を含む)の有無、口腔乾燥評価などをあげた.また,術後気管内挿管中における口腔内細菌数の推移や口腔乾燥評価を行った.一方,全身的因子として心疾患以外の基礎疾患の有無,口腔管理開始から手術までの日数,手術時間、術中出血量、気管内挿管の日数,発熱の有無,血液データの推移(白血球数やその分画,CRPなど),人工呼吸器関連肺炎や感染性心内膜炎の発症の有無やその他の感染症発症の有無について検証を行った. 特に,術後口腔管理については術前日と気管内挿管中の1日1回の専門的口腔清掃を行う症例群と,それに加え,気管内挿管中の口腔内細菌数の増加を抑制する目的で定時で口腔内に抗菌薬軟膏塗布を行う症例をランダムに抽出し,時間経過と細菌数の推移についても比較検討を行った. 現在登録症例数約50例と目標値に達しておらず,26年度においても継続的にデータの収集を行う予定である.一方,院内での口腔管理がシステム化される前の症例に関して全身的因子に関する評価項目についてデータベース登録を行っている. さらに、術後気管内挿管を行った呼吸器および消化器疾患の患者についても同様の検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
口腔管理に同意を得られないことや手術までに十分な日数を得られず術前の評価・管理が行えないことで対象数が予定に達していない.また,口腔内因子について,口腔管理開始時点での口腔内環境とくに自覚症状や歯冠補綴物の適合度などが多様であるとともに評価者間によるばらつきもみられるため,対象とならないものもあるため.
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今後の研究の推進方策 |
口腔内因子の項目評価について,評価者間でのばらつきがみられたため,評価項目・方法の見直し・点数化などが必要であると考えられる.
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