インフルエンザウイルス表面のノイラミニダーゼ(NA)は、ウイルス放出時に重要な役割を果たしている。口腔からはNA産生細菌が検出されることから、本研究では、細菌由来のNAがウイルスのNAの働きを助長し、ウイルス放出を促進するか否か検討した。その結果、NA活性を認める細菌培養上清を添加しMDCK細胞にウイルス感染を行うと、ウイルスの放出量が著しく増加した。さらに、細菌由来のNAが抗インフルエンザ薬(NA阻害薬)処理時のウイルス感染に及ぼす影響を検討した。その結果、NA産生細菌培養上清の添加によりNA阻害薬の効果が減弱した。
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