研究課題/領域番号 |
25862095
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 福岡医療短期大学 |
研究代表者 |
黒木 まどか 福岡医療短期大学, その他部局等, 助教 (00582214)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 口腔乾燥 / 歯学 / 食品 / 老化 / 医療福祉 |
研究概要 |
食品及び食品成分から水分保持物質を探すに当たって、市販口腔保湿剤のオーラルバランス®とリフレケア®H、さらに両保湿剤が含有する20%加水分解水添デンプン(高分子物質の加水分解物、多価アルコール)、30%(w/w)グリセリン(多価アルコール)、1.5~3.0%(w/w)ヒアルロン酸(ムコ多糖)の水分保持能をin vitroろ紙試験法を用いて、水分量と重量の変化の測定を行った。温風処理15分後の0%(w/w)グリセリン、20%加水分解水添デンプン、1.5~3.0%(w/w)ヒアルロン酸のろ紙表面の残存水分量率は3.0%(w/w)ヒアルロン酸>1.5%(w/w)ヒアルロン酸>20%加水分解水添デンプン>蒸留水、30%(w/w)グリセリンの順であった。温風処理16分間にわたる残存重量に対するろ紙表面の残存水分量カーブに見られるパターンでは、蒸留水のパターンI、ヒアルロン酸のパターンII、ヒアルロン酸よりも高い保湿能を有するパターンIIIとなり、市販保湿剤のリキッドタイプはパターンII、ジェルタイプはパターンII・IIIに分類された。これにより、食品および食品成分の保湿能力を比較する際の基準を確立した。 次に、比較物質実験より、食品分類表の14群のうち、19種類の植物性食品の口腔内保湿能力の可能性についてろ紙試験法を用いて評価した。残存重量に対する残存水分量カーブのパターンは蜂蜜、オレンジ、ザクロ、緑茶、紅茶、3種類のハーブティが蒸留水と同じのパターンIであった。青梅はパターンIよりも保水能力の強いヒアルロン酸と同じのパターンIIであった。自然薯、里イモ、オクラ、ネギ、ジャガイモ、トウモロコシ、3種類のきのこ類、ワカメはパターンIIよりも保水能力の強いパターンIIIであった。これらのことから,パターンIIIに属する植物性食品が高い口腔内水分保持能力を保有している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の研究計画として立案していた「食品及び食品成分から水分保持物質を探すに当たって、まず、比較のために化学合成物質を用いた実験を行う」については、市販口腔保湿剤に含まれる成分のin vitroろ紙試験法を用いて、水分量と重量の変化の測定を行い、水分量の変化のパターンを見つけ出し、市販保湿剤をパターンに分類した。さらに、食品および食品成分の保湿能力を比較する際の基準の確立が出来た。 また、「比較物質実験の進捗次第で、植物性、動物性食品およびそれらの成分につき、水分保持能の測定をin vitroろ紙試験法により実験を行う」計画については、食品分類表19種類の植物性食品の口腔内保湿能力の可能性についてろ紙試験法を用いて評価し、高い口腔内水分保持能力を保有している可能性が高い植物性食品を絞り込むことできた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の結果の進捗状況を踏まえて前年度の追加の実験を行いながら8~14群の食品と成分につき実験を行う。ムチンのような粘性に富む、または脂質性の食品(または成分)を優先的に選択する。上記のIn vitroろ紙試験法を使用して、食品を加熱または生のままの固形食品の重量(g)に4倍量の蒸留水を加えて、フードプロセッサーまたは乳鉢で破砕、すり潰してけん濁液を調製し、液状食品は原液を、またそれらを希釈して用いる。食品とその成分の得られた水分保持能を、化学合成物の比較物質(口腔保湿剤と湿潤剤)との比較のうえで、次に2項目について結果まとめる。 1)温風乾燥16分後の残存水分量率と残存重量率の値。高い残存重量率(即ち、乾燥した時に残渣が多い)と高い残存水分量率を同時に有することは、水分蒸散後の持続的な水分保持能を示す。 2)水分蒸散途中の、温風処理6分から16分の間のカーブのパターンがヒアルロン酸型かそれとも蒸留水型であるのか。ヒアルロン酸型であれば唾液の水分保持機能に類似することを示唆する。 これら1)~2)に関する比較により、化学合成物質、食品とその成分の水分保持能力を比較することで、副作用が無いか有っても少ない水分保持能物質を見つけ出す。この結果を発表し、論文としてまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
投稿論文の学会誌掲載が、査読結果の遅延により遅れてしまったため、次年度使用額が生じてしまった。 26年度の学会誌掲載費用および印刷費用に充てる計画である。
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