本研究は、医療者と非医療者に対する慢性閉塞性肺疾患(以下、COPD)の知識の向上のための教育方法の検討に加え、医療者に対してCOPDの予防を支援するための人材育成の教育方法の検討を目的としている。 平成28年度は、実際にCOPDの研修を開催し、研修後にプログラムの評価を行い、内容の精選を行った。内容の精選には、これまで学会等で収集した情報や慢性呼吸器疾患看護認定看護師の助言を反映させて行った。研修を実施する中で、COPDの知識(疾患・合併症・診断・検査・治療等)の評価を行ったところ、参加者の多くが研修後でCOPDに関する知識が研修前と比べ高くなったことから、今回作成した教育方法はCOPDの知識の啓蒙・啓発に有効であることが明らかとなった。また、今回の研修では、研修に参加する対象者の元々のCOPDの知識の程度に関係なく、研修に参加することでCOPDに関する知識が深まることが確認された。 今後は、このプログラムを用いた研修を医療者や非医療者に対して各地で開催していく他に、簡易スパイロメーター等を活用し、継続して、COPDの啓蒙・啓発活動を実施していくことを予定している。また、今回の成果を多くの学会で発表し、様々な場面でCOPDの知識の提供の必要性について発信を行っていく予定である。
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