看護実践現場の一員として成長する看護学実習教育体制の検討

2013 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 25862111
• 研究種目: 若手研究(B)
• 研究機関: 神戸大学
• 研究代表者: 三谷 理恵 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (70437440)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• キーワード: 看護教育 / 臨地実習教育

研究概要

本研究は、状況論を基盤とし、学生の看護実践現場への参加という視点から、学生が実際の看護実践現場にどのように参加しているのか、その実態と参加を規定する要因の解明を目指す。また学生の、看護実践現場への参加による看護者としてのアイデンティティ形成を含めた学習過程を明らかにすることを目的とする。
平成25年度は、先行研究の検討および予備調査として、すべての実習を終えた段階にある看護学生の実習教育における学習過程に関する面接調査を実施し、現在上記視点での分析を進行中である。平成26年度は、臨地実習指導者、看護教員に対する面接調査の実施および、実習場面への参加観察または面接調査をもとに、看護学生が実際の看護実践場面にどのように参与しているのか、学生が自分以外の他者（患者、家族、医療者等）との関係、看護用具やカルテなどの情報やものとのアクセス状況などから、看護学生の看護実践場面への参加を規定する要因について分析予定である。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年度は、所属機関の新カリキュラム移行期にあたり、前期は教育へのエフォートが予想以上に増加し、研究遂行に影響があった。また予備調査に参加する参加者からの同意を得るのに想定以上に時間を要し、参加者の教育、学習活動への配慮から、調査時期を予定より遅らせざるを得なかった。現在、予定していた面接調査を実行中であるため、これらの結果を早急に分析していく。また本調査である面接調査、参加観察によるデータ収集を次年度実施予定である。

今後の研究の推進方策

平成25年度の調査結果および追加予備調査である看護教員ならびに臨床実習指導者への面接調査を実施する。その後、実際の実習教育場面への参加観察、面接調査を予定している。参加観察において、実習中の学生への配慮は十分行うが、学生への負担が大きいと判断する場合、あるいは実習場面への動向が同意が得られない場合は、面接調査を主体とした調査研究に変更し研究を遂行する場合も想定している。

次年度の研究費の使用計画

25年度は、予定していていた面接調査、参加観察調査の遅れにより、逐語録作成のために予定していた人件費・謝金分の予定額の使用を遂行していない。そのため、その分は次年度に繰り越し、逐語録作成の遂行に活用する予定である。
また同様に調査旅費も次年度使用予定である。
本年度は調査を予定しているため、調査経費および面接調査の逐語録作成経費、分析への専門的知識の提供等、人件費・謝金は昨年度未使用分も使用予定である。また、平成25年度までの調査結果の学会発表等の旅費および調査経費の使用も予定している。