研究課題/領域番号 |
25862113
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
首藤 英里香 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (90336412)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 看護技術 / 動作分析 / 看護技術教育 / 文献調査 |
研究概要 |
看護技術をより正確に、かつ効率よく習得するには、各自の技術を客観的に評価し改善点を明確にした上で繰り返し練習を行う必要があり、動作分析を取り入れた技術教育の実施が重要であると考える。本研究では、より効果的・効率的な技術教育の実現を目指し、1)3次元的な動作分析に基づいた指導が必要となる技術項目の検討、2)看護師と学生の看護動作の比較・分析、3)モデル動作の検討を行う。 本年度は、上記1)について動作分析を取り入れた看護技術の教育方法の有効性・効果性を具体的に検討するために文献調査を行った。文献検索は医学中央雑誌webおよびPubMedを使用し、日本文献では看護教育、動作分析、英語文献ではnursing education、motion analysisを検索用語として原著論文を対象とした。日本語文献では検索結果20件中、詳細が不明瞭なもの、テキスト分析等を除くと13件であり、そのうち学習教材として動作分析を取り入れた教育方法の検討に関する文献は6件であった。英語文献では検索結果65件中、看護師を対象とした動作に関する研究は2件であった。それらについてコーディングシートを作成しデータを整理した。また、加速度センサを用いて看護動作を分析している研究に関する文献検討も行った。これらの結果より以下の方向性が見いだされた。 1.教育的介入における動作分析で取り上げている看護行為はベッドメイキングが多くみられ、次いで立ち上がりや車椅子移乗動作など移動に関わる介助動作であった。また加速度センサにより識別可能な動作は身体全体を使用して行う動作であり、車椅子移送が挙げられていた。介入としてはリアルタイムなグラフや音声表示によるフィードバックにおいて学習効果が得られていた。 2.看護活動における身体的負荷に関わる計測では、姿勢、形状(矢状・横の屈曲、軸回転)の変化、膝関節の屈曲角度が重要であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
達成目標としては、Phase1の計画で看護技術項目を抽出しいくつかの技術を実施しデータ収集することであったが、作業が若干遅れている。計画では3次元的な動作分析および加速度センサを用いた研究に関する文献調査を考えていたが、それに加えて動作分析を取り入れた看護技術教育の有効性に関する先行研究の分析をより深めて行ったためである。これにより具体的な看護技術項目の抽出に関する示唆を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、文献検討およびプレ実験により検討された看護技術項目について3次元的に動作分析を進める。分析では熟練した看護師と看護学生の動作の比較を行い、看護動作の特徴を抽出し、モデルとなる動作について検討を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、文献調査を重点的に実施したため、動作分析にかかる費用を使用せずに至ったため、残額が生じた。 平成26年度は、動作分析のためのアドバイサーの示唆を得ることを計画する。さらにデータ収集、データの整理および結果の分析を行うため、謝金・旅費および消耗品のための費用を計上している。また、成果発表のための旅費として使用する予定である。
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