研究課題/領域番号 |
25862116
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
服部 美香 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (60618320)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 看護実践上直面する問題 / 診断尺度 |
研究概要 |
本研究は、看護師が看護実践上直面する問題を質的帰納的に解明し、それを基盤とする信頼性と妥当性を確保した「看護実践上直面する問題診断尺度(仮)」を開発することを目的としている。 平成25年度は次の4点を目標とし、研究に取り組んだ。それは、①理論的枠組みの洗練、②「看護師が看護実践上直面する問題」の解明に向けた質問紙の作成、③専門家会議とパイロットスタディによる内容的妥当性の確認、④全国調査とデータ入力である。 目標達成状況は次の通りである。①理論的枠組みの洗練として、看護実践、問題解決に関する国内外の研究成果を収集、検討し、「看護実践上直面する問題診断尺度(仮)」を開発する過程を明確化した。しかし、次の課題を残している。具体的には、2010年に開発した「看護師の問題解決行動自己評価尺度」は、9下位尺度45質問項目から構成されている。これは、各下位尺度毎に5質問項目を配しており、各下位尺度の具体的な行動が5質問項目によって表されている。また、自己評価した看護職者が、質問項目への回答および理解を通して下位尺度の理解を深め、自己の実践状況と照合し、質問項目にはないが下位尺度に該当する行動を改善できるようになることを意図し作成した。しかし、今回開発を目ざしている「看護実践上直面する問題診断尺度(仮)」は、それとは性質が異なる。そのため、下位尺度を作成するのではなく、生じている問題を特定できるように作成する必要がある。この検討を今後も継続し、活用可能性の高い尺度を作成する。 また、②「看護師が看護実践上直面する問題」の解明に向けた質問紙の作成と③専門家会議開催前のプレテストを行った。しかし、「看護実践上」という用語が意味する範囲を明確にできていないため回答者にとって回答しにくいことがわかた。現在、修正している段階にあり、平成26年度③、④とその分析を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成25年度は、看護師が看護実践上直面する問題の質的帰納的解明を目ざし、質問紙調査を行う計画を立てていた。そのため、独自の質問紙を作成した。また、内容的妥当性の確保を目的とした専門家会議、パイロットスタディの前にどのような自由回答が得られるかを確認するためのプレテストを行った。その結果、回答者から質問文への正確な理解を得ることができず、必要なデータを収集できないことがわかった。その原因は、用語の定義を十分に検討できておらず、それを提示できなかったことにあった。現在、用語の定義を検討するとともに、具体的にイメージしながら自由に記載していただけるよう質問文も修正している。また、平成26年度調査を行い、分析を行うことでこの遅れを取り戻したいと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、看護師が看護実践上直面する問題の質的帰納的解明を目ざした質問紙調査と分析を行う。質問紙調査は自由回答式質問とし、具体的に記入していただく必要もあるため、十分なデータ収集期間を確保する必要がある。また、看護職者が回答する時間を確保しやすい時期を選択する必要がある。このことから、データ収集期間を9月~10月に設定した。これに伴い、専門家会議を7月、パイロットスタディを8月に実施する。 研究を遂行する上での課題は、今回、明確な計画を立てずにいたことにより遂行上の遅れが生じたと考えている。今年度以降は、明確、綿密な計画を立てて進める必要がある。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由は次の通りである。 平成25年度は、看護師が看護実践上直面する問題の質的帰納的解明に向けた全国調査を行う計画を立てていた。しかし、それを実施できなかったため、会議費や印刷代、葉書代、郵送代、返信郵送代、データ入力代等が残っている。 次年度使用額の使用計画は次の通りである。 平成26年度、7月に専門家会議、8月にパイロットスタディを行う。そのため、次年度使用額を会場費、謝金、質問紙印刷代、郵送代に使用する。 また、9月から10月に全国調査を行う。そのため、次年度使用額を葉書代、質問紙印刷代、封入代、郵送代、データ入力代等に使用する。
|