研究課題/領域番号 |
25862118
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
臼井 麻里子 名古屋市立大学, 看護学部, 助教 (70636638)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 臨地実習 / 心理的距離 / 看護学生 / 看護学教育 |
研究概要 |
本研究は学生が患者とよりよい看護援助関係を築くために心理的距離に着眼し、さらに対人スキルとストレス対処能力の影響をふまえ検討し、看護実践能力を向上する臨地実習指導体制を構築することを目的とする。 初年度である平成25年度は、名古屋市立大学看護学部の倫理員会の承認を得て、看護学生‐患者間における心理的距離の構成要素抽出のための調査を行う体制を整えた。調査は看護系大学の学生を対象に半構成的面接法を用いて行った。調査内容は、入院に対する好感的イメージや嫌悪的イメージ、協調性あるいは劣等感や神経質などの外交的・内向的性格特性、向社会的行動、臨地実習中の自己側の心理的状態や思考の変化やそれに伴う行動、患者に対する思いや患者の行動に対する認識の変化である。結果、臨地実習を終えてから2か月~3か月目の看護学生12名から調査協力が得られ、データを収集し心理的距離に関連する要因について検討した。今後、今回の結果をもとに健康障害を有する対象と健康障害がない対象の間における心理的距離に関連する要因を検討し、患者と看護学生間の心理的距離において新たな側面があるのか、先行研究の4側面とあわせて検討し、看護学生と患者間における心理的距離の尺度として適応できるのか検討を重ねる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたインタビュー調査人数よりもやや少ない人数であるが理論的飽和に至っており、患者と看護学生間の心理的距離の構成要素の抽出に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
初年度にインタビュー調査を行い抽出された心理的距離の構成要素をもとに、看護学生と患者間における心理的距離の測定尺度の開発に向けて質問項目を作成し、その中から適切な質問項目を選定する。質問項目の作成枠組みには、心理的距離の4 つの側面で明らかになった成果と学生の対人関係を形成する上で情動的共感性とストレス対処能力をふまえて概念間の検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
インタビュー調査を行い、理論的飽和に至ったため調査人数を予定の20名から12名に変更を行ったため12,690円の未使用額が生じた。 次年度、アンケート調査に向けた項目の選定に向けて看護系大学1,2年生の臨地実習における教育指導を10年程度行っている教員にスーパーバイズを受けながら進めるあたり、未使用額を人件費・謝金として使用する予定である。
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