本研究は、看護実践場面における概念として、看護実践プロセス・パフォーマンスを提案し、その特徴や構造を明らかにすることを目的とした。また、その測定尺度を開発し、信頼性及び妥当性の検討を行った。平成26年度は、看護実践プロセス・パフォーマンスを測定する尺度の開発に向けて、(1)臨床看護師のより優れた看護実践を実施するに至った選択のプロセスや看護実践を向上させようとする態度や志向性を明らかにするための質的研究の実施、(2)(1)の調査結果を踏まえて、看護実践プロセス・パフォーマンスの尺度の項目を作成、選定するための調査の実施、この2点の実施を計画した。(1)では、インタビューガイドを用いた半構成的面接法で5年以上の臨床経験があり、かつ看護活動に関連する専門資格を取得している臨床看護師10名に半構造化面接法によるインタビューを実施し、データを収集した。そのデータを修正版Grounded Theory Approachを用い、質的帰納的に分析した。(2)では、インタビューで得られたデータを、看護実践のプロセスに意欲的に取り組む行為にはどのような特徴があるのかという分析視点で項目案の内容を検討し、項目案を作成した。この項目案の作成には、看護教育学の専門家にスーパーバイズを依頼し、項目の内容の妥当性の検討、文章表現の修正を実施した。直接的な患者ケアを実施している臨床看護師を対象に調査を行い、調査結果を踏まえて尺度の内容妥当性を高めるための検討を行った。
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